ダート（Dallas Area Rapid Transit: DART）は、ダラス・フォートワース国際空港（Dallas/Fort Worth International Airport: DFW Airport）とダラスの北東エリア、プレイノ（Plano）をおよそ60分で結ぶ全長約42kmの通勤路線シルバーライン（Silver Line）を建設中です。同線は別名コットンベルトライン（Cotton Belt Line）と呼ばれており、過去に存在したセントルイス・サウスウェスタン鉄道（St. Louis Southwestern Railway Company）の路線を再活用して建設されます。現在のところ開業は2023年を予定していますが、パンデミックの影響で延期される可能性があります。なお、建設費はおよそ12億ドル（1,200億円）となっています。
※開業時期は2025年後半から2026年中頃を予定しています。
シルバーラインのルート
ダートの鉄道路線図とシルバーラインの建設ルートを示したものです。シルバーラインのルートはグレーの点線で示されています。
シルバーラインの延伸ルートの拡大部分です。
新設される駅
シルバーラインには新設の7駅と既設の2駅を合わせた9駅が誕生します。
- シロ・ロード（Shiloh Road）
- 12th ストリート（12th Street）※レッド・オレンジラインと接続
- シティライン・ブッシュ（CityLine/Bush）※レッド・オレンジラインと接続
- UT ダラス（UT Dallas）
- ノルトレイル（Knoll Trail）
- アディソン（Addison）
- ダウンタウンキャロルトン（Downtown Carrollton）※グリーンラインと接続
- サイパレスウォーター（Cypress Waters）
- DFW空港ノース（DFW Airport North）※開業済みのTEXレールと共用
- DFW空港ターミナルB（DFW Airport Terminal B）※開業済みのTEXレールと共用
シロ・ロード（Shiloh Road）
プレイノの南東エリアに設置される駅でシルバーラインの起点駅となります。
駅周辺5マイル圏内には146,000人が住んでいますが開業時の1日利用客は400人程度と見込まれています。2040年には駅へのアクセス改善などにともない690人まで増えると予想されています。
カラフルな柱が目を引きます。
12th ストリート（12th Street）
ダートのダウンタウンプレイノ（Downtown Plano）駅から南へ1kmほどの場所に建設されます。。開業時の1日利用客は200人と見込まれています。周辺ではダウンタウンプレイノの歩行者エリア拡大が計画されており、2040年の利用客は340人と見込まれています。
新たにダートレッドラインの連絡駅も建設されます。
シルバーラインとレッドライン新駅とを繋ぐ歩道です。駅直結ではないので少し不便そうです。
ダートの駅は高架駅になるためエレベーターが設置されます。
シティライン・ブッシュ（CityLinn/Bush）
リチャードソン（Richardson）に設置される駅です。近年、駅周辺には大規模な集合住宅、ホールフーズ（Whole Foods Market）、オフィスビルなどが建設されているエリアです。また、レッドラインとの接続駅となります。
駅周辺ではすでに開発が進んでおり開業時の1日利用客は1,000人と予想されています。2040年には1,240人まで増えると予想されています。
レッドラインの駅の真横にシルバーラインの駅が建設されるので乗換えには便利そうです。
UT ダラス（UT Dallas）
テキサス大学ダラス校（University of Texas at Dallas）の最寄駅となります。開業時の1日利用客は700人を見込んでいます。駅直結の再開発が予定されており、2040年には1,205人まで増えると予想されています。
一面2線のシンプルな造りです。
テキサス大学ダラス校の校章が設置されます。
ノルトレイル（Knoll Trail）
プレストンウッド・タウンセンター（Prestonwod Town Center）などへの最寄駅となります。
2面2線の配置となります。
開業時は1日約500人程度の利用客を見込んでいます。なお、2040年の利用客は約530人と予想されています。
アディソン（Addison）
開業時は1日約1,000人の利用客を見込んでいます。
2面2線の造りとなります。
徒歩圏内でアクセスできる範囲に再開発が予定されており、2040年には1日利用客が1,945人まで増えると見込まれており、同線で最大の利用客を誇る駅となる予定です。
ダウンタウンキャロルトン（Downtown Carrollton））
グリーンラインとの接続駅となります。
開業時は1日約800人の利用客を見込んでいます。
Aトレイン（Denton County Transportation Authority: DCTA A-train）の延伸計画や駅周辺の再開発の進展によって、2040年には1日利用客が1,855人まで増えると見込まれています。
サイパレスウォーター（Cypress Waters）
開業時は1日約200人の利用客を見込んでいます。
駅の開業によって周辺で再開発などが見込まれており、2040年の利用客は890人まで増加する見込みです。
DFW空港ノース（DFW Airport North）
開業時は1日約800人の利用客を見込んでいます。
2040年には1305人まで増えると見込まれています。ほとんどの利用客はTEXレールとの乗換え客と見込まれています。
DFW空港ターミナルB（DFW Airport Terminal B）
すでに開業しているTEXレールのDFW空港ターミナルB駅に乗り入れることになります。当駅はターミナルBに直結していますが、空港内を走るエアトレインを利用することで他のターミナルへも移動可能です。
運行ダイヤ
先行して開業しているTEXレールと同じくピーク時に30分間隔、オフピーク時に60分間隔の運行が予定されています。
使用車両
シルバーラインでは、TEXレールで使用されているものと同じシュタッドラー・レール（Stadler Rail AG）のFLIRT車両が使用されます。カラーリングはダートの車両と同じものとなっています。
車内もTEXレールのものと似ています。
ドア付近の様子です。
車椅子エリアのイメージです。
バイクラックも設置されるようです。
Source: DART
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